1.いま、学校教育ってどんな感じなの?
日本では10年に一度「指導要領」が改訂されます。指導要領とは文部科学省が学校の教育レベルや内容を一定に保つために出す学習スケジュールのようなものです。公立、私立問わずすべての学校はこの指導要領に沿って、学校教育を行うわけです。2020年から2022年にかけてこの指導要領が改訂されるのですが、今回の指導要領は社会の変化を顕著に映し出したものとなりました。その中でも大きなポイントが「生きる力」を育てることが明記されたことです。
2.「生きる力」ってなんだろう?
「生きる力」といわれてもピンときませんよね。指導要領で述べられているのは「実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能」「未知の状況にも対応できる判断力・思考力・表現力」「学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性など」と述べられています。簡単にいえば、これまでの知識を詰め込むような教育ではなく、知識を活用して人生や社会をよりよくする力をつける教育をしていこう、ということです。
3.暗記はもういらない?!
そういわれてみると、大学入試ではセンター試験が廃止されて記述式試験の導入が模索されたり、筆記試験入学者を減らして、AO入試や推薦入試による入学者を増やしたりするなど「知識を問う入試」から「知識を活用する入試」に移行していますね。では、これまで行われてきた暗記型の教育はもう必要ないのでしょうか?いいえ、むしろ暗記は現代の必須事項です。というのも知識を活用するには知識があることは大前提であり、その知識をどのような方法で、どのような場面で使うかを考えるのに時間や労力を使います。
4.HOTSで見る知識の重要性
HOTsという概念をご存じですか?HOTsとはHigh Order Thinking skillsの略で、思考の階層構造を表しています。最下層に位置するのはremember(受け入れる)、その次にunderstand(理解する)、さらにapply(適用する)、次にanalyze(分析する)、そしてevaluate(評価する)、最後にcreate(想像する)とつづきます。rememberやunderstandを見ればわかるように、知識を「こういうものだ」と受け入れ、その仕組みを理解してこそほかの場面で適用したり、どの場面で用いるべきか分析し、評価に生かし、新しいものを生み出していけるわけです。知識偏重型の教育を抜け出してもなお、知識は必須なものなのですね。ただし、知識をつけることより、知識を活用できるようになることの方が難しいのです。また、トレーニングの時間も必要です。ぜひ、HOTsアカデミーで知識を活用するトレーニングをしましょう!